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トラブル処理

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(これは私の職場。)

先日、トラブル処理をしていてとっても嬉しい事がありました。
(ちと長いですよ~)



ソウル行き出発ゲートにいる○社の係員から、カウンターに電話がありました。
たまたま、電話の前にいた私が電話にでたところ、○社でソウルに行くお客さんが、
出発前にどうしてもウチに物申したいとの事。

「すいません、かなり怒ってらっしゃるんですが、どうしてもそちらと話がしたいそうなので、電話に出てください」というので電話にでると、本当にものすごく怒っていました。

お客さんが怒っていた原因は、航空券の金額に対してのお客さんの「勘違い」。
言い方は悪いけど、勝手に思い込んで、自分の解釈と違っている事に対しての怒りでした。
簡単にいうなら、本来Aであるべきなのに、お客さんは勝手にBと思い込んでいて、
「何で?Bのはずやのに、何でAやねん!!!」という感じ。

羽田空港で、ウチの係員に「Bとちゃうんか?!」と質問したところ、「いや、Aですね」とあっさり言われたらしく、どうしても「Bのはずやのに何でやー!」としつこく問い詰めたにもかかわらず、
「ですからAでしか無理です」と締めくくられたらしい。そして時間がなくてシブシブ大阪に来たものの、ブチ切れのお客さんはそのままソウルに行く前にどうしてももう一度話がしたいらしい。

電話で何度「Aですよ」と説明しようとしても、人がしゃべってる上から私の声を掻き消すように怒りをぶつけてきて、耳も傾けてくれないし、全く話になりゃしません。

「ちゃんと話しようやないか!ここまでこい!」と言うので、ゲートに向かう事になり、
その前に羽田で一体何があったのか詳細を調べるために、羽田に電話しました。

聞くところによると、羽田でもきちんと説明したのに、自分の「Bであるべき」という立場を崩さず、怒って耳を傾けてくれなかったらしく、時間もないし、ウチができることはどう転んでもAでしかないので、「Aしか無理です」と案内したらしい。

ウチは悪くないけど、お客さんは腹をたててるのに変わりはないから、少しでも怒りを鎮めないといけない。

ゲート前のベンチに座っているお客さんの所にいって、トラブル処理のマニュアルを必死で思い出しながら話をしました。

①「まず、何に対して怒っているのかを聞くこと。話を中断せずお客さんの立場になってひたすら聞くこと。」
全身に怒りのエネルギーをぶつけられ続けるのは本当に疲れるし、悲しくなってきます。なんならちょっと泣きたくなってきます。もしくは逃げ出したくなってきます。
それに今回の場合は、「ちょっと待ってよ、それあんたの勘違いやん!」とツッコミいれたくなる瞬間がたくさんあります。
②「その怒りは、あなた個人・人間性に対するものではありません。個人的に受け止めず、忍耐強く耳を傾けましょう」
そうか、航空券の値段に対して怒ってるのであって、私の人間性を批判されてるわけじゃない。
とりあえず、この人の怒りを発散してもらおう、とひたすらフムフムと話を聞きました。

お客さんの怒りのポイントは「Bではないこと」と「Aと言った羽田空港の係員の態度が非常に失礼であった」ということらしい。プラス、羽田空港で○社が「Aで大丈夫ですよ~」とミス案内している。お客さんはそれもウチのミスだと勘違いしている。

とりあえず怒りが少しおさまったタイミングを見計らって、じっくり落ち着いた態度で、ゆっくりと「Bでないといけないのは誤解である。失礼な言い方かもしれないが、Bであるとはどこにも記載していない。」ということとを説明し、羽田の係員の態度で気分を害してしまったことを謝罪しました。それでも、まだ怒りが治まらない様子だったので、お客さんが最後まで話しおわるまでじっくりと話を聞き、またじっくりと説明しました。

話を中断することなくじっくり聞いて、気分を害してしまったことを謝罪して、説明して。。。ということをひたすら繰り返すこと40分。色んな角度から「Aでないといけない」事を説明しつづけました。

最終的には「んーーーわかったわ!何かツラツラ文句いうてごめんなーー。話聞いてくれてありがとう!」といってくれたんです。

クレームから「ありがとう」につながったのは初めてで、涙がでそうなほど嬉しかったです。「話を聞く」というのは本当に大切なことなんだなぁ、と実感しました。(もちろんケースバイケースなんでしょうけど)

「こちらこそ、お時間をとらせて申し訳ありませんでした。羽田の係員にはお客さんのご意見を必ず伝えます。」と言ってお客さんの出発を見送りました。

ベンチに座ってるお客さんと立ったまま話をするのは頭が高くて失礼だし、かといって自分もベンチに座れないしで、40分間お客さんの前でしゃがんで、床に膝をついて話を聞いていたので、その後かっこよく立ち去ろうと思っていたのに、立ち上がった途端、足の感覚が麻痺していて、ヒョコヒョコと超スローで小幅でしか歩けず、しかもかなりビビッていったので、ワキの下は汗でびちょびちょでした。

ワキがビチョビチョの生まれたての子馬みたいでした。

何百人もの前で本当に派手にこけるかと思った☆

でもよかった。ほんとうによかった。
by tamaptamap | 2005-04-25 17:06 | グランドホステス時代
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