グラホの世界はいわずとも知れた「女の世界」です。
「女の世界」いうと、私には、ねっちこ~い、恐ろしいイメージしかありませんでした。 私には女の姉妹もいないし、小さい時も、みんながキャンディキャンディとかキティちゃんとかの赤やピンクの自転車を乗ってた中、私は男の子用の宇宙船とかビームとかついた青い自転車を乗っていました。 弟が生まれる前の本当に小さい時、自分は男の子だと信じてやまなかった時期もありました。だから、自分の股間に何もついていない事が本当に信じられませんでした。「もうちょっと大きくなったら生えてくるんやわ!」と信じていた3歳の時、弟が生まれ、オムツ交換の時に弟にはついてるを見てしまった時は本当にショックでした。3歳児にして結構凹みました。「何で生まれてきてばかりの青二才のこの子にあって、この子よりも人生経験を積んだ私にはないねん!(怒)」という気分でした。 でもその後はなんとか普通の女の子に戻り、ピアノやバレエをたしなみ(笑)、「りぼん」を読み、かわいいものやシルバニアファミリーやバービーちゃんが大好きでした。でもやはり、少年漫画、ファミコンや外でエネルギー120%全開で走り回って遊ぶという男の子の遊びも同じくらい大好きでした。普通の女の子よりも確実に男寄りで、その後も意識的に「女の世界」というのを避けてきたところがあります。なんだか「キャピキャピッッッ!!!ウフフフッッ!!!」という偏見があり、自分は「ガハハハハ!!!」というキャラだと信じてたので、絶対浮いた存在になると思ってました。高校、大学も女子校はまず選択肢には絶対入っていませんでした。 そんな私がなぜこの女ばかりの世界に飛び込んだかというと........... ①内定をもらった企業の中で一番語学が活かせそうだった(←留学から帰国したばかりだったので、単純オバカ) ②自分が温室で育った「バカ娘」ということを自覚していたので、フロントラインの接客業の世界で自分を鍛えたかった ③勤務地が大阪府内(実家に住んでお金を貯めたかった。) くらいかなぁー...当時は1年だけ働いて、お金をひたすら貯めて又渡米する気マンマンだったんです。 そんな感じで入社式......いやはや、本当に自分とは正反対の人種ばかり。みんなすっごいキレイにしてて、笑うのもウフフフフという感じ。(に見えた)私はわりと環境に溶け込みやすく、どこででも友達はできるのですが、足を踏み入れた瞬間「ここでは無理かも」と生まれて初めて思いました。 入社式は2泊3日の研修も兼ねていて、毎日早朝に起きて、号令かけながら走りこみ、外でラジオ体操して、そのまま超大勢の前で大声で新聞の朝刊の読み合わせ、勉強、風呂もゆっくり入る時間もなく、夜は報告書を書き上げて、寝る...分刻みのスケジュール。飛行機は一応公共交通機関なので「遅れる」ということはご法度。もちろん怖い教官方の目が始終キラリンと光ってました。しかも消灯時間の後に少しでも話し声が聞こえると、全員廊下に立たされて説教、もう堀ちえみの気分でした。今考えると、学生からいきなり環境が変わったから衝撃が大きかっただけやったんやろうけど。 でも何が一番嫌やったちゅうたら、私のキャラだけなんだかすごい浮いていたこと....ずーーっと体育会系でやってきたので、先輩後輩関係、わけのわからんシゴキには慣れていたけど、ここは明らかに自分はブラックシープ、みにくいあひるのこ、来るところ間違えました。ここはおしとやかな、関西人やのに関東弁を話すお嬢様の世界やわ...私にはご縁のない女の世界。そう考えると夜部屋でシクシク泣けてきた日もありました。 2日の休みの後、1ヶ月の座学研修、もうこれはほんとにしんどかった。大学受験でもあんなに勉強したことなかった。これからも多分あんなに勉強するってことはないくらい。1ヶ月毎朝5時に起きて勉強してから10時に出社して7時くらいまで勉強、帰ってからも勉強です。じゃないと追いつきません。 そしてOJT(on the job training)が始まります。先輩はめちゃくちゃ怖いです。もちろんやさしくて良い人の方が多いけど。やはり学生気分抜けてない子相手なのでわざと厳しくしますわな、そりゃ。でもやはり、たまーに根性ババ色な人もいて、そんな人にあたってストレスでぶっ倒れたり、出社前に毎日吐いてた子もいました。先輩が恐すぎた場合もあり、もちろん本人の性格の不向きetcにもよりけり。覚える事も多すぎて、脳みそパンク状態です。 毎日オフィスでは誰かが泣いている状態でした。業務面、接遇面、厳しい世界です。私は特に髪型で注意されました。みんなはロングヘアーをきちんとまとめて綺麗にしてましたが、私はずっとショートやら、ベリーショートやらで、しかも大学の終わり頃から、前髪をオンザ眉毛でパッツンとそろえ、前髪の毛先だけを赤く染めていて、その赤い部分を黒に戻すお金さえもなかったので(卒業時に旅行やらですっからかんになってしまった)赤い部分だけを切って、前髪が1センチという状態やったんです。私は結構かわいいと思ってたんですが、グラホの世界では完全にアウトでした。「茶髪の人はすみやかに黒に戻す事」とみんな注意されている中、私だけ「前髪が短すぎる」とあまりにも怒られたので、しばらく前髪だけ育毛剤をつけてました。 かなり話がずれましたが、女の世界は私にとって衝撃的でした。男の人がいない雰囲気はどうもピリピリして見えました。恐さをストレートに表現しやすいんでしょうか。(男のグラホも実はいますが、うちの部署200人弱に対して4人だけ)みんながあまりにも自分と正反対に見えて、帰りの電車で泣けてきて、連結の部分に逃げ込んでシクシク泣きながら帰ったりした時もありました。 でも時間がたってみると、実はガハハハ系の頼りがいのある豪傑な人が本当にたくさんいてとっても楽しい。綺麗でおしとやかに見えるけど、普段お客さん相手にしごかれてるから、みんな強い。 今まで避けて通ってきた女の世界ですが、入ってみるとすごい良いもんです。年の近い同性が多いということは、同じような趣味や悩みを共有でき、いろんな話ができる。旅行、買い物、グルメ、習い事etc etc 人数も多いので情報ネットワークがすごい。「○○系でオススメの場所は?」とか「このエリアで○○系のおいしいレストランは...?」と聞くと、すぐに誰かから良い答えが返ってくる。向上心が強くアンテナをピンっと張って活動的に生活してる人が多いので、自分の体一つでは集めきられへん情報でも、すぐ隣の誰かが知っているという環境です。みなさんも知らない土地でどこか良いトコに行きたい時は、スッチーとかグラホに聞いてみるのも良い手だと思います。 起承転結がちゃんとなっていないような気もしますが、今思うことは「入ってよかった、女の世界」です。
by tamaptamap
| 2004-12-23 20:21
| グランドホステス時代
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